これからエンジニアを目指そうとしている人、すでにプログラマーとして働いている人の中にも、いつかゲームに関わる仕事に就いてみたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
ゲームをプレイするのが好きで、いつか自分でもゲームを作りたいというゲーム好きな人も多く、そういった求人も多くあります。
しかし、実際にゲームプログラマーがどのような仕事内容なのか、どういったスキルが必要なのかなど詳しいことまでは把握していないという人も多いと思います。
そこでこの記事では、ゲームプログラマーの仕事内容や、どうやったらなれるのか、必要なスキルなどを解説します。
また、一方でゲームプログラマーはきつい、やめとけという記事を目にすることがありますが、実際はどうなのでしょう。実態についてもお伝えます。
Contents
ゲームプログラマーとは
ゲームプログラマーとは、設計に基づいてゲームのプログラミングをする職業のことです。ゲームプログラマーが対応するゲームの種類は多種多様で、コンシューマーゲームだけではなく、PC用のオンラインゲーム、スマホゲームもゲームプログラマーが制作する対象です。
具体的には、キャラクターの動きや効果音、ゲームシステムの構築、ゲームのシーンが意図したように動作するようにプログラミング言語を使って、プログラミングをします。
一つのゲームを完成させるためには、ゲームプログラマーだけではなく、さまざまなゲームクリエイターがチームとなって動きます。その中でもゲームプログラマーは、ゲーム構築の基盤となる重要な役割を持ちます。
ゲームプログラマーの仕事内容
ゲーム企画のミーティング
企画を決めるのは、ゲームプランナーですが、ゲームプランナーがプログラムにそこまで詳しくないこともあります。その場合、プランナーだけによる企画は、実現が難しいこともあります。そこで、ゲームプログラマーが企画ミーティングから参加し、企画のアイディアが実現できるのかどうかという観点で、内容を擦り合わせていきます。例え、無理な要望があったとしても、代替案などを提示できる力がゲームプログラマーには求められます。
仕様決定
企画が決定したら、ゲーム開発を進めていく方法について細やかに決めていく必要があります。
企画段階では、ゲーム開発を進めるにはまだ曖昧な内容です。ゲームプログラマーが理解しやすいように、企画を実現する仕様をまとめた仕様書を作成します。キャラクターの一つ一つの動きや効果音を決めていきます。
プログラミング
仕様書ができれば、あとは仕様書に基づいてゲームプログラマーがプログラミング言語を使用して、プログラムを組んでいきます。ほとんどのゲーム開発会社では、チームで開発することが多く、ゲーム全体のシステム管理やメニュー画面のUI設定など、各業務を複数のプログラマーに振り分けて開発を進めていきます。
テストやデバッグ
実装したプログラムが不具合なく動作するかのテストを実施し、不具合があればエラー箇所を探索して修正することを繰り返します。プログラムは一つでもエラーがあると、ゲームとして機能しません。そのため、新しい機能を実装したら、毎度デバッグを実施してエラー修正する必要があります。
動作や操作が仕様通り動くかどうかをテストし、修正と改善を繰り返しながら、ゲームの完成度を上げていきます。不具合やバグを洗い出す工程はデバッガーというテストチームが行うケースもあります。
ゲームプログラマーの種類
ゲームプログラマーが対象としているゲームは幅広く、現在ではコンシューマーゲームだけではなく、スマホアプリゲームやオンラインゲームも対象となっています。
コンシューマーゲーム
コンシューマーゲームの制作を行うゲームプログラマーです。コンシューマーゲームの制作会社は、古くからあり、ゲームプログラマーにとって王道の就職先でした。現在では、家庭用ゲーム機に対応したゲームが減少傾向ということもあり、事情が変わっています。
今後は、スマホアプリゲームやオンラインゲームへの移行が進んでいくことでしょう。
スマホアプリゲーム
スマホアプリゲームは、業界で見ると右肩上がりに普及しているゲームです。スマホを持っていれば気軽にダウンロードしてプレイできるため、コンシューマーゲームに代わる形で急増しています。スマホの需要に伴って、スマホゲームアプリの需要も続くと考えられます。
ゲームプログラマーの数も多く、現状ではゲームプログラマーといえばコンシューマーゲームではなく、スマホアプリゲームをイメージするのが一般的でしょう。
オンラインゲーム
オンラインゲームのゲームプログラマーは、一定数の需要はありますが、スマホアプリゲームほどではありません。
そのため、オンラインゲームのゲームプログラマーへの就職を考えている人は、スマホアプリゲームの制作会社も視野に入れることをお勧めします。
ゲームプログラマーに必要となるスキルとは
ゲームプログラマーの役割は、仕様書に基づいてプログラミング言語を使用してプログラムを組み立てることです。
そのため、プログラミングスキルは必須となります。ゲームを制作する際に必要となるプログラミング言語は、JavaやC#などですが、現場の開発環境に合わせたプログラミング言語を習得する必要があります。
一般的に、プログラミングするゲームの種類によって扱う言語は異なります。
コンシュマーゲームの場合、PlayStation・Nintendo Swichなどの家庭用ゲーム機のソフトを指します。コンシューマーゲームのプログラミングで求められる言語は、C++やC#、CのC系言語が多いでしょう。また、UnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンのスキルや、2D/3Dにおけるグラフィックスやアニメーションについての知識も求められるでしょう。
スマホアプリゲームの場合、iPhoneやAndroidでプレイするゲームのことを指します。使用する言語はOSによって異なり、iOSではSwiftまたはObjective-C、Android OSであれば、KotlinまたはJavaです。Cocos2d-x、Unity、Luaなどのゲームエンジンを扱うスキル、2D/3Dアニメーションの知識なども求められます。
オンラインゲームの場合、ネットワークを介してプレイするゲームのことを指します。複数人が同時に楽しめるRPGやソーシャルゲームがあります。求められる言語スキルは、Java、PHP、Ruby、Pythonなどです。また、Linuxサーバーを中心としたWebサーバーや、MySQL、PostgresなどのWeb開発で多用されるデータベースの知識・スキルまで求められる場合もあります。
ゲームプログラマーの年収は？
ゲームプログラマーの平均的な年収は300〜800万円程度となっており、一般的なシステム開発を担うプログラマーと比較しても同等のレベルといえるでしょう。
近年はソーシャルゲームなどの人気で求人は豊富にありますが、ゲームプログラマーを志望する学生やプログラマー経験者も多く、高い年収を実現するには上流工程への挑戦が不可欠だといえるでしょう。
ゲームプログラマーになる方法
ゲームプログラマーになるには、ゲーム開発に不可欠なプログラミング言語や技術、コンピューター全般の基礎知識は必要です。まずはゲーム系専門学校などでプログラミングの専門知識や即戦力になれる技術を習得してゲームメーカーやゲーム制作会社への就職を目指すのが近道といえます。
また、プログラミングだけではなく、幅広い専門知識も必要です。プログラミングができるだけではなく、ゲームを動作させるゲーム機の仕組みや、開発環境であるハードウェアとソフトウェアに精通していることが重要です。
ゲームプログラマーの将来性
ゲーム業界は今後も盛り上がっていくことが予想されるため、ゲームプログラマーの将来性は高いでしょう。
「ファミ通ゲーム白書 2022」（※）によると、2021年の国内ゲーム市場規模は２兆円の大台をキープしており、スマホアプリゲームやオンラインゲームのプラットフォームでも、1.3兆円です。家庭用ゲーム機器のオンライン市場でも、コロナ禍によるゲーム需要の増加で前年より2割近く拡大していることがわかります。
参考：ファミ通.com「『ファミ通ゲーム白書 2022』が本日（8/25）発売。国内のゲームアプリ市場規模はほか分野を圧倒する結果に」
まとめ
これまでの記事で、ゲームプログラマーの仕事内容や必要なスキルについてご理解いただけたかと思います。
業務システムやWebアプリケーションのプログラマーとは全く異なる職種ですが、使用しているプログラ言語は共通していることもありますので、ゲームぷグラマーを目指すことも可能です。
ただし、ゲームプログラマーはゲーム開発経験を積んでいる人のほうが評価されることは間違いありませんので、ゲーム業界未経験の場合はポートフォリオを工夫したりする必要があるでしょう。
ゲーム業界も人材不足が深刻化していますが、スマホアプリのゲームなどの需要も高く、ゲーム業界の仕事は将来性が高いとおもわれますので、憧れていた業界への転職を検討してみてはいかがですか。
