フルリモートワークはITエンジニアに向いているのか?

働き方改革法の施行によりリモートワークが導入され始め、2020年からの新型コロナウィルスの影響により、急激にリモートワークの導入が加速しました。

非常事態宣言が解除された2021年後半以降もリモートワークという働き方を継続している企業も多いと思います。

2022年になり陽性者数も過去最大数を更新し続け新型コロナウィルスも第6波がきたのではないかという状況になりつつあります。

そのような状況下でも長く続いている閉塞的な環境にストレスを感じオフィス回帰という言葉もでてきています。

オミクロン株は重症化するリスクが少ないということもあり中小企業では事務所勤務に戻ったところも多いようですが、大手企業では一度は事務所勤務主体に戻したものの最近になり改めてリモートワーク中心に切り替えたりと今後についてはまだまだ不透明なところがあります。

そのような状況下、環境に左右されずに、リモートワークを働き方の1つとして導入している企業も多くあり、
リモートワークはニューノーマルな働き方として定着しつつあります。

特にIT関連企業のリモートワーク導入率は非常に高く、ITエンジニアの仕事がリモートワークに適していることが伺えます。

転職サイトなどで求人をみてもリモートワークやフルリモートワークというキーワードが多くなっています。

では、完全に出社しないフルリモートワークと言う働き方は本当にIT企業に適しているのでしょうか。

フルリモートワークを希望するITエンジニアも多いと思いますが、改めてフルリモートワークという働き方について解説いたします。

フルリモートワークとは

フルリモートとは

まず、リモートワークとは、「会社から離れた場所で働く」ことを指します。
そしてフルリモートとは、完全なリモートワークです。完全に出社することなく働くことを意味します。
会社から離れた場所とは、基本的には自宅やコワーキングスペースのことです。

リモートワークにも種類がある

ハイブリッドリモート

ハイブリッドリモートとは、リモートワークで勤務する形態と、オフィスに出社して勤務する形態を組み合わせた新しい働き方のことです。
正規雇用者として、オフィスでもオフィスではない場所でも仕事をします。週に2回は出社し、それ以外は自宅で働くなどの場合が多いです。
新型コロナウイルスの影響で、リモートワークを導入した企業は増えました。しかし、リモートワークには以下のような課題があり、
オフィスに出社して勤務する重要性も再認識されてきました。

  • 家だと生産率が落ちる
  • 出社した方が捗る仕事がある
  • 社内でしかできない仕事がある

そのため、従業員が自由に働く場所を選択できるハイブリッドワークを取り入れる企業が増えてきています。

フルリモート

フルリモートは、冒頭でもあったように、完全にリモートワークで勤務する働き方です。
自宅、コワーキングスペース、カフェなどからインターネットを介してリモートで仕事をします。
この働き方は、まだまだ多くはありません。リモートワークの場合でも、始業時や終業時に必ず上司に連絡が必要などの、
リモートワークに切り替えてからの管理の整備がまだ整っていない企業も少なくありません。
そのため、完全リモートという働き方は、正社員では難しいということを念頭に置いておきましょう。

アウトソーシングリモート(フリーランス)

アウトソーシングとは、業務の一部を社外の人材に発注することです。
そして、アウトソーシングリモートとは、協力先がリモートで仕事をする働き方を表します。
アウトソーシングの例としては、経理の仕分けや商品の梱包など、実際に会社に足を運んでできる作業などが一般的でした。

しかし、現在では、さまざまな業務がアウトソーシングの対象となっています。特に近年では、情報分野のアウトソーシングのニーズが増加傾向にあります。

また、経産省の委託によりみずほ情報総研がレポートティングしたIT人材受給による調査ではIT人材が大きく不足していることが記載されています。

なんと、2030年には最大79万人ものIT人材が不足するという試算です。
いくら内製化が推奨されていても、ITエンジニアの中途採用が困難な現在、しばらくは改善のしようがないほど圧倒的にリソースが足りないのです。

そのため、フリーランスをリモートで雇うという形態をとる企業は、今では珍しくありません。

参考:みずほ情報総研株式会社<IT人材需給に関する調査>

フルリモートワークのメリットとは?

静かな環境で集中して仕事ができる

フルリモートワークでは、好きな環境下で働くことができます。
上司や同僚や部下がいるオフィスと比べて、リモートワークでは、自分に分担された作業を黙々と集中して実施することが可能になります。

ITエンジニアを例にすると、エンジニアにとっては、コードと向き合って思考したり、集中してプログラムを書いたりする時間はかなり貴重な時間です。

その時間を外的要因によって阻害されない環境で作業ができるということは、フルリモートワークの大きなメリットとなることでしょう。

柔軟なスケジュール調整ができる

常に自宅で作業ができるため、家で必要なちょっとした用事を済ませることもできます。

昼休憩の間に洗濯物を干しておく、洗い物を済ませるなどです。家族が家にいる場合は、食事だけでも家族と一緒に取ることも可能ですし、家庭の予定を組み込むことも可能です。

お子さんがいる場合は、お子さんの急な体調不良にも対応できるので、出社するよりも安心です。

ただし、このような柔軟な時間の使い方が可能かは企業によって違いますので、事前に確認しておきましょう。

リモートワークが働き方の1つとして定常化していない企業ですと、就業規則などのルールが曖昧であったりするため注意が必要です。

居住地に関係なくプロジェクトに参加できる

自分がチャレンジしたいと思ったプロジェクトの現場が、居住地と離れているために参画を断念した経験はありませんでしょうか。

リモートワークが許可されているプロジェクトであれば、都心や地方に関係なく、自分の好きな場所に住みながらもチャレンジしたプロジェクトに参加できるというメリットがあります。

これは、日本国内に限った話ではなく、希望すれば、日本にいながら海外のプロジェクトにも参加できるチャンスもあります。

コロナ禍の昨今、海外への渡航が難しいこともあり、グローバルなプロジェクトは遅延していることも多いようですが、すでに一部の企業はリモートでプロジェクトをすすめるべき体制を整えているケースも出ています。

フルリモートワークのメリットとデメリットとは

フルリモートワークのデメリットは?

自己管理能力が必要

リモートワークでは、通勤・退勤・昼休憩などのリズムが作られない分、集中してつい働きすぎてしまうことや、
その反対に、ペースに乗れずに集中できないことが考えられます。

こうして、自分の仕事のやり方が確立することができずに、総合的な生産性が落ちてしまう可能性があります。

リモートワークの際にも、時間を気にしながら一定のルーティンを設けて、ペースを崩さないようにすることが重要です。

特に一人暮らしの方の場合は自宅で様々な誘惑も多く、人の目を気にする必要もないため、業務に集中できず時間が過ぎてしまうなんてこともあるようです。

ご家族がいる方の場合は、家の用事を頼まれてなかなか集中できない、家庭内で集中できるスペースを確保することができないなどの課題がでてきているのです。

コミュニケーション不足になる

フルリモートワークになると、他の社員とのコミュニケーションがグンと減ります。

会社に出勤していれば、上司や同僚、部下などの誰かしらに必ず会うものが、フルリモートワークになることで、対面でコミュニケーションをとることがなくなります。

そのため、ちょっとしたコミュニケーションすら減ってしまい、さらにはチーム内のコミュニケーションが不足することによって、業務に必要な情報が共有できていなかったり、認識の相違が多く発生したりすることが考えられます。

株式会社パーソル総合研究所が実施した調査(※)によると、リモートワークを行っている人の「不安」として支持を集めた回答が「非対面のやりとりは相手の気持ちがわかりにくく不安」が37.4%で最上位にランクインする結果となりました。

リモートワークでは、他の社員とのコミュニケーションがチャットツールもしくは、ビデオ通話越しでのやり取りがメインとなります。

対面の場合と比べると、会話の速度や密度が落ちるため、認識の相違が起きる可能性が高いです。

対策としては、指示を受けたら細かく確認する、チャットではなくできるだけ会話をして認識の相違の可能性を少なくするなどの工夫が必要になるでしょう。

特にビデオ通話、オンライン会議などではインターネット回線にも負荷がかかるので、自宅のインターネット回線で大人数での会議などは画像の遅延が発生したり、音声が途切れたりといった問題も出てくる場合があります。

気軽にコミュニケーションが取りづらい環境であることを理解し、コミュニケーションを取る手段を持ちましょう。

※参考:緊急事態宣言後のテレワークの実態について

情報漏洩のリスクがある

社外で働くことになるので、機密情報が外部に漏れる可能性があります。

カフェでパソコンやタブレットなどの端末を紛失するなどのトラブルによって、情報が漏洩してしまう可能性は否めません。

同様にカフェやレストランなどの公共の場で公衆無線LAN、フリーWi-Fiを利用する場合には注意が必要です。
VPNなどを導入していないと機密情報がそのままネット回線に流れてしまいますし、人がいる場所ではPCの画面を後ろから見られていたり、盗聴されてしまったりという危険もあります。

もし情報が漏洩してしまうと、企業の信用に関わります。
一度失った信用を取り戻すには大きな労力がかかると供に時間もかかるでしょう。場合よっては信頼を回復できないほどのダメージを負うことだってあり得るのです。

セキュリティを守るソフトの使用の徹底や、情報の通信を暗号化できるVPNの導入をするなど、十分なセキュリティ対策と、従業員のセキュリティ意識を高めていくことが求められます。

ITエンジニアにフルリモートは相性がいいのか?

結論から先にいえば、ITエンジニアはリモーワークとの相性は抜群に良いといえます。

ITエンジニアは、PCと必要な環境さえ用意すれば対応できる仕事が多いため、場所を選ばずリモートでの作業がしやすい職種です。

また、設計書などの成果物もインターネットを介して共有できるものがほとんどのため、リモートワークとの相性がいい理由の1つになります。

以前は全てのドキュメントを紙に印刷していたのですが、現在は殆どの資料はデジタル化しデータでのやり取りで対応することのほうが一般的になっています。

しかし、上流工程に関わることが多いエンジニアの場合は、クライアントとのやり取りが多数発生するため、顧客折衝のために出勤する必要が多いケースもまだまだあります。

現在ではクライアントも含めリモートワークを導入している場合も多いので、ペーパレスやデジタル化が推奨されている中で全ての工程がリモートで対応できるという流れが一般的になることは必然でしょう。

通常では製造の段階から、テスト工程に至るまで、リモートでも完結できる作業内容のため、他職種と比較してもITエンジニアはリモートワークとの相性がいいと言えることでしょう。

フルリモートで働く人の適正とは

フルリモートワークで働く適正とは?

働き方には、人それぞれの適性があります。フルリモートのような特殊な働き方の場合、どのような人が適しているのでしょうか。

まず検討すべき観点は以下の通りです。
以下の観点を満たしていると感じた場合は、フルリモートの働き方を導入している企業でも、ストレスなく働くことができるのではないでしょうか。

自己管理能力がある

リモートワークでは、仕事の過程が見えない分、成果がより重視されます。

働きすぎや怠けすぎの原因となっている誘惑を断ち切って、仕事のパフォーマンスを向上させることが重要です。

特に固定の勤務時間を過ぎれば仕事が終了というような考え方ですと、上司などからの評価は下がってしまうことが考えられます。

担当しているタスクに必要となる時間などを正確に計算しスケジューリングをした上で業務にあたり、明確に成果を見える化することができる人こそ、リモートワークに適していると言えます。

積極的にコミュニケーションを取ろうとする意識がある

リモートワークでは、上司や同僚と対面でコミュニケーションを取ることが一切ありません。

そのため、積極的で細やかなコミュニケーションが必要です。

業務の指示を受けたら、認識の齟齬がうまれないように、細かく確認する。仕事の進捗を細かく報告して、仕事の手戻りが起きないようにするなど、オフィスに出社する場合よりも、コミュケーションを図る意識が大切です。

十分なスキルがあるか

フルリモートで働く場合には、担当するタスクを滞りなく進められるように十分なスキルが必要です。
プログラマの場合だと、仕事をこなせるだけの十分なプログラミングスキルがあるかが前提となります。

不明点を解決するためのやりとりの時間が、出社して対面でコミュニケーションを取れる場合よりも多くかかってしまうケースが多いため、業務を遂行することが困難になるからです。

また、企業はリモートワークで採用するポジションに即戦力であることを求めているからです。

フルリモートにも注意するべきことがある

フルリモートワークでは、魅力的なメリットを持っていますが、一方でいくつか注意しないとデメリットになることも存在します。
フルリモートワークの場合は、以下の点に注意しましょう。

コミュニケーションの質を下げないようにする

ITエンジニアがリモートワークの環境下で、パフォーマンスを低下させないためには、コミュニケーションの質を下げないように努める必要があります。
対面形式ではないリモートワークのコミュニケーションでは、気を抜くとコミュニケーションが機械的になってしまい、情報のやりとりや共有が最低限になってしまうからです。
いかに、対面形式と同じレベルのコミュニケーションを取れるかを常に意識することが必要です。

自己管理ができるように自分自身を律する意識が必要

フルリモートの場合は、どれだけ自分自身を律して仕事の成果をあげられるかがポイントです。
リモートワークでは、通勤時間がない分、休憩や仕事に充てることができるのがメリットです。一方で、上司からの目線が遮断されいるからといって怠けてしまう人も少なくありません。
フルリモートでも仕事の成果と効率を向上させるためには、作業にかかる工数を自分でスケジュールし、管理することが必要です。

セキュリティを万全に整える

仕事をする環境を常に整えて、セキュリティを万全にしておく必要があります。
もし、自宅にあるPCやインターネット環境をそのまま仕事で使用しているのであれば、セキュリティは不十分といえます。
セキュリティに少しでも問題があれば、会社の情報が流出するリスクを抑えることができません。
勤め先と相談し、十分なセキュリティをとった上で、仕事を進める必要があります。

まとめ

まだまだ現在の社会情勢によってリモートワークを導入している企業も多いかと思います。
しかし、働いている人の多くは、リモートワークを希望しているというデータもありますので、ビジネスシーンではリモートワークという働き方がニューノーマルとして一般化していく流れになつつあるんおではないかと思います。

しかし、社会が働き方の多様化を推奨しているように、テレワーク、フルリモートワークを選択しなくてはいけないというわけではありません。

自分自身が働きやすいと思うかどうか、適正があるのかどうかを今一度考えている価値はあるのではないでしょうか。
働き方を選択するということは、自身の生活様式にも長期的に影響が及ぶほどの決断になるかと思います。

事務所に出社して働くほうが集中できて、働いているという気分になり、集中できるという人もいるでしょうし、仕事が終わって事務所から帰宅までに間に何処かに立ち寄ることが何よりも好きだという人もいるでしょう。

多様化が推奨されている社会になってきていますので、色々な働き方があることのほうが正常なのではないでしょうか。

また、働き方の多様化を推奨している企業であっても、就業規則やインフラ面など制度的な整備が整っていない企業も数多くあります。
企業が推進しているからといって、無闇にとびつかず、とりまく環境や制度がきちんと整備されているかを確認することも大切です。

貴方の働き方として最適な方法を見つけるようにしましょう。

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