テレワーク(リモートワーク)と開発系エンジニア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コロナウイルスによる新型肺炎のリスクの終息が全く見えない中で、時差通勤やテレワーク(リモートワーク)を推奨する企業が増えてきています。
国や自治体の“不要不急”の外出を控えて欲しいというガイダンスに連携して、社員の感染リスクとそれによる業務停止リスクを回避する狙いがあります。

テレワーク自体は2011年の東日本震災時にも多くの企業で適用されましたので、その言葉自体は浸透しているかと思います。働き方改革の推進により、職種によりますが時差通勤やテレワークの導入が拡大していますね。
延期とはなりましたが、東京オリンピックを迎える備えとして働き方改革を推進する動きが加速されていました。その中でのコロナウイルスの急激な拡大への対抗策として、前倒しでテレワークを導入した企業が少なくない形となりました。

総務省の令和元年通信利用動向調査によると、日本企業におけるテレワークの導入率は2012年の11.5%から2018年の19.1%と発表されており、緩やかな増加傾向にあることが分かっています。これまでテレワークが導入しやすい職種は営業職でした。外出先からそのままカフェや自宅でメールチェックをするという日常的な仕事のスタイルが定着しているからでしょう。

テレワークを活用する企業の例としては、富士通が有名です。同社は全社員約3万5000人を対象に、2017年4月から「テレワーク勤務制度」を導入することを発表しました。場所にとらわれずに働くことができ、上司の許可があれば何度でも利用できるそうです。

1.テレワークとは?

まずテレワークを正確に確認しましょう。tere=離れた場所 work=働く を合わせた造語で、【ICT(情報通信技術)を利用し、時間を有効に活用できる柔軟な働き方】と総務省のホームページで定義しております。テレワークはメインのオフィスではなく、サテライトオフィスでの勤務や外出先で働くこと(モバイルワーク)や、フリーランスのスタッフが業務を離れた場所で仕事する場合(自営型)なども含めており、リモートワークは場所等の制限はかかっていません。テレワークとリモートワークはほぼ同義で使われていることが多いようですが、 最近派生した言葉にもかかわらずリモートワークの方がIT業界での主流になっているようです。

これまでは営業職を中心に拡大されてきたテレワークですが、一方でインターネット環境の充実によって左記の富士通やマイクロソフトなどのIT業界、特にシステム開発系のエンジニアについてもテレワークの導入が進んでいます。
そこで今後の開発系エンジニアの働き方はどうなっていくか、テレワーク(リモートワーク)について掘り下げつつ昨今の社会世情を踏まえて考えてみたいと思います。

2.テレワークのメリットとデメリット

〇メリット
長時間の通勤移動から解放され、時間を有効活用できます。通勤ラッシュのストレスもなくなります。企業側も交通費の削減につながります
・通勤からの開放により距離・場所の制約が大幅に減り、雇用者の居住地の選択肢が広がります。企業側も採用活動における居住地の選択肢が増え、魅力的な人材を探しやすくなります
・家族のサポートをしながら仕事を行うことができるようになり、ワークライフバランスの充実に繋がります
・服装の制限がなくなり、比較的ラフな格好で作業に取り組むことができるようになります

〇デメリット
・簡単な口頭確認などの気軽なコミュニケーションが難しくなります
・業務の進行に問題が発生した場合、相談先の確保や複数名を絡めた打合せなどの対応に時間がかかります
・カフェ等の外出先で作業する場合、会話内容への聞き耳や画面の覗き込み、パブリックWifi利用などで物理的・ネットワーク的なセキュリティが下がります

上記に記載したような潜在的なデメリットについては、既にテレワークを導入している企業で問題点として明確になっている事例があるようです。

3.テレワークに向いている仕事、向かない仕事

テレワークは営業職で推進されてきたように、以下のような自由度の高い職種に向いていると言えます。

・個人の作業で完結させやすい
・仕事の担当範囲を分割しやすい

一方で向いていない職種は、いくつかの理由から自由度が低い制限のある職種になります。

・コミュニケーションを重視する業務
・業務ができる場所が特定されている業務
・外部アクセスの許可を出すのが困難な情報の取り扱いが必要な業務

では、システム開発を行うエンジニアの職種はどうかと考えてみると、自由度の高さと制限事項の両方の特徴をもっているといえます。開発の作業そのものは概ね個人に割り当てられるため自由度が高い一方で、作業進捗の確認や仕様検討などのチームで協力する作業については対応が難しいことが多くなります。また、顧客の機密情報を扱う様なシステム開発を行う場合には高いセキュリティが必要となり、リモート開発の許可が出ないケースも考えられます。

4.テレワークに向いているエンジニア業務

Cisco WebexやZOOMは、Web会議クラウドサービスとして広く知られています。これらの仕組みによって、簡単なミーティングは資料を共有した上で実施することが可能です。一方で、重要な進捗確認会議や課題検討をするミーティングについては、対面で討議しながら進めることを望まれるケースが多く残っています。そのため、エンジニア業務の中でもテレワークに向いている業務と向いていない業務があります。

〇テレワークに向いているエンジニア業務
・Webエンジニア業務:Webエンジニア業務はクラウドサービスを介したWeb環境を使った業務が実現可能であり、自分のPCだけで作業が可能です。また、納品型の成果主義が成り立ちやすいことも在宅に向いている理由です。
・ソフトウエア開発業務:ソフトウェアエンジニアもWebエンジニア同様にクラウドサービスを介したWeb環境での開発作業が可能になってきたこと、Webエンジニアと同様に、納品型の成果主義が成り立ちやすいことです。

セキュリティ面を含めると、現時点で完全に在宅で行えるエンジニア業務は限定的になってしまうことはやむを得ないでしょう。今後の技術やサービスの発展、働き方や評価等の根本的な変化により幅広いエンジニア業務でテレワークが適用できるかもしれません。

5.見つかっている問題点

既に運用を開始している企業では、制度面・環境面・心理面などで問題点が見つかっています。

〇制度面
・稼働時間に基づく給与体系の場合、自宅での稼働に関する定義が必要になる
・時間管理から成果物管理へ切り替えるなど、評価制度の見直しが必要

〇環境面
・BYODを許可した場合、カフェや自宅のWifiなどの個人所有物利用によるセキュリティ面の不安がでる
・自宅の機器の利用、光熱費や通信費に対して、どの様に会社が負担するのか制度が必要になる

〇心理面
・仕事とプライベートの切り分け・切り替えが困難になる
・単独作業は集中できるメリットになるケースが多いが、孤独感に不安を感じてしまう人もいる

エンジニアの業務であっても環境面、心理面での問題点は対応施策を用意することは可能ですが、制度面では評価制度を簡単に成果物管理に切替えることは難しいかと思われます。それであれば、社員ではなくフリーのエンジニアと業務受託する方が成果管理をしやすいと考える方がいるかもしれません。
そこで、テレワークを志望するエンジニアにとって、フリーのエンジニアになることはメリットとなるのか見ていきましょう。

6.テレワーク希望ならフリーのエンジニアは選択肢になるか?

フリーのエンジニアに対する仕事の依頼は副業を主としたクラウドソーシングサイトや業務委託募集サイトが一般的です。しかし、これらのサイトの業務を見ると以下の特徴があり、フリーのエンジニアでは通常テレワークで得られるメリットを享受できそうにありません。

業務委託サイトの開発案件は高い給与設定がされる案件も多いのですが、作業場所として客先オフィスを指定されることが大半です。企業からすると不足しているエンジニアをフリーの方から募集しようとしているだけで、テレワークは選択肢になっていないようです。また、開発言語は概ね指定されている上に即戦力を求められています。

もう一方のクラウドソーシングサイトでのエンジニア業務はテレワークで対応可能な前提の業務が大半ですが、任せられる業務範囲が限定されていることにより単価が安くなってしまいます。実績を積み重ねれば依頼する企業も信頼して幅広い業務を依頼してくれる可能性はありますが、そこに辿り着くには相応の技量と時間が必要となります。

テレワークで技術を提供する形は理想的かもしれませんが、前述の理由からフリーランスではなくテレワーク制度の運用を進めている企業の所属を目指した方が現実的ということになります。
また、フリーのエンジニアは個人事業主となりますので、委託する企業との条件交渉や自身の収入に対する税申告などの営業・事務的な作業は自分で対応しなければなりません。技術一本でやっていきたい場合は特に、フリーランスという道は考えにくいと判断した方が良いでしょう。

まとめ

今回はテレワークが昨今の社会事情を反映して増えてきていること、そのメリット・デメリットをお伝えしました。これまでは営業職への適用が多かったのですが、システム開発のエンジニアに対してもテレワークも導入が可能か、という視点ではまだ一部の業務に限った実施であることをお伝えしました。

現状は制度面・環境面・心理面での課題があり、開発現場でのテレワークの導入は限定的かもしれません。しかしながら、今後エンジニアに対して働き方改革の一環としてテレワークの導入は進んでいくと考えて良いでしょう。その際には、エンジニアにはこれまでの働き方とは異なるスキルが必要になることを理解しておきたいところです。

・テレワークではコミュニケーションの方式が変わるため、メッセージやWeb会議で正しく伝え・理解する力が重要になる
・質疑応答が少なくなるよう、自信のスキル向上を図っておく必要がある
本格的なテレワークの導入に備えて、現在の業務を通じてスキル向上に努めていきましょう。

定着する頃にはリモートワークにも慣れていることが理想的ですが、非常事態宣言の出た現状で仕事環境に変化はあったでしょうか? 自宅では集中できないという人もいますので、このタイミングでテレワークに移行することがあったら今までの話を踏まえて自分の向き不向きを見極めておくと良さそうです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

キャリア形成は難しい。だからこそ客観的な視点を求めたい

転職は自分の人生を左右する大切なこと。だからこそ情報収集と自己分析が重要です。第三者視点で自己分析はできそうでしょうか?

もし不安を感じても大丈夫。
Javaキャリでは15年以上の経験を積んできたコンサルタントが貴方のキャリア形成をサポートします。お気軽にご相談下さい。


コンサルタントへの相談を希望する

  • ファイナンシャルテクノロジーシステム株式会社
    年収 350万円 ~ 700万円
    業界30年のノウハウと革新的な独自AIプラットフ…

    〈会社の特徴〉 弊社はFintech分野をリードする、先進的なシステム開発を得意とする会社です。 Finance(金

    ファイナンシャルテクノロジーシステム株式会社
    place東京都
  • 株式会社インプレス
    年収 300万円 ~ 600万円
    【20代・30代活躍中】オープン系SE・PG◆上…

    経営理念は、「技術の前に人ありき」。 人柄重視といっても、難しいことは求めません。 きちんと挨拶ができ、お客様や

    株式会社インプレス
    place東京都
  • 株式会社インフォメーションポート
    月給 26万円 ~ 50万円
    【SE/PG】あなたの「やってみたい!」「スキル…

    インフォメーションポートは「スキルアップを実感できる」会社です。 ◆同じような仕事でスキルアップできていない ◆

    株式会社インフォメーションポート
    place東京都
  • 株式会社クリエーション・ビュー
    年収 400万円 ~ 800万円
    一次請け案件8割/20代活躍中/残業ほぼゼロ/1…

    「手を動かすだけでは物足りない…」 そんなスキルアップを目指す、エンジニアの想いに応えます! エンジニア一人ひ

    株式会社クリエーション・ビュー
    place東京都
  • AZURE・PLUS株式会社
    年収 300万円 ~ 500万円
    上流工程で活躍する!設計・製造フェーズからのスキ…

    【当社は今、アプリケーション開発エンジニアを求めています!】 『PGから、設計・要件定義を担当するSEを目指したい

    AZURE・PLUS株式会社
    place東京都
  • 株式会社アクトプロ
    年収 480万円 ~ 900万円
    【急募!残業時間10h以下/大手交通インフラ優良…

    弊社アクトプロは長期に渡りお客様との信頼関係を構築してきました、また働く環境にしっかり配慮しております。 各プロジェ

    株式会社アクトプロ
    place東京都

SNSでもご購読できます。