IT業界に不況の波が来る? 他業種のコロナリストラがITエンジニアのキャリアを壊す

国内における新型コロナウイルスによる新規感染者は夏から秋にかけて落ち着きはじめ、大規模イベントの開催・GoToキャンペーンの活況が報じられることで、収束方向に向くのでは?という印象がありました。
しかしながら、11月に入ってから北海道、東京、大阪の都市部では新規感染者数が拡大しており、11月18日には東京で過去最高の人数、更にその数が増えることが想定されています。北海道では外出自粛の要請が発表されるなど、先の見えないトンネルに逆戻りしてしまいかねない状況にあります。
一方で企業の業績については外出自粛期間の影響により大幅な減益や赤字が続出し、希望・早期退職者募集を実施する大手企業が出てきました。東京商工リサーチによると、2020年10月末までに上場企業の早期・希望退職募集が72社14,095人に達したとのこと。これは昨年の倍に達しています。

こうした世間の情勢はIT業界にどのような影響をもたらすのでしょうか。

72社のうち新型コロナウイルス感染拡大の影響を要因に挙げたのは全体の4割程度で、業種別ではレナウン、オンワードなどのアパレル、そして、ロイヤルホールディングスなどの外食産業が占めています。やはり外出自粛や消費低迷の影響で深刻な業績不振に見舞われた企業が多くなっています。
東京商工リサーチでは早期・希望退職の募集は2021年も高水準で推移する」と分析しており、コロナリストラの動きは長期化しそうな様相を見せています。

IT業界の不況は遅行指数

IT業界についても安泰ではありません。チャットプラス株式会社が 2020年6月に 実施した1000人経営者アンケートによると、コロナショックにより倒産失業に追い込まれた業界TOP3は、IT・通信、小売、製造・メーカーであると判明しました。IT業界に倒産・廃業が多かったのは先の東京商工リサーチの結果とは異なる結果でした。
コロナ禍に必要となったリモートワークを支援するシステムは伸びている反面、SES、小規模なフリーランス事業者などは打撃を受けているという、二極化が進んでいるのかもしれません。

コロナ禍を契機としたIT業界の上場企業の早期退職の実績は少ない一方で、SES、中規模SI事業者への影響は既に発生していると思われることがわかりました。恐らく、IT業界は顧客企業の業績悪化に対して概ね半年遅れて影響を受けるからだと推測されます。
業績悪化が露呈すると、経営者はコスト削減を指示します。ITのコストもその例外ではありませんが、ITに係る投資案件は中期的な契約が多く、接待費を減らすような即日の対応はあまり見られません。契約更新タイミング、もしくはシステム開発フェーズの区切りに応じて契約見直し、価格交渉を迫られることになります。それは、半年ほど遅れた“遅行指数”として見ることになります。

現在、早期退職を推進している様な企業におけるIT投資の削減実行は、今期末から来期に本格化する可能性が考えられます。その時にIT企業、特にITエンジニアに対しての影響は以下の様なことが想定されます。

  • 契約見直し、価格交渉が行われると、元受け企業だけではなく、パートナー企業への影響が大きくなります。パートナー企業でのITエンジニアは低価格での業務従事をすることになります。もしくは、少人数での業務に従事することが要求されるかもしません。
  • 利益確保が遅れる未経験者は、教育コストもあり採用は後送りにされるかもしません。

自身が担当している現在の顧客企業の動向が、先に掲載したような業種な場合は、特に影響があるという想定のもとに顧客企業の動きを注視しておくことが大切です。顧客企業の業績発表、人事発表など、IT投資とは一見関係のないイベントではありますが、半年後に想定されるIT投資の削減可能性があることをイメージした上で、その様なイベントを注視していきましょう。

アフターコロナのIT業界は悲観的か?

マクロ的な観点でも、新型コロナウイルスはITの市場にもマイナスの影響を与えています。IDC Japan は2020年5月、新型コロナウイルス感染症の最新状況を考慮した国内ICT市場予測のアップデートを発表しました。同社によると、2020年の国内IT市場(支出額ベース)は、前年比6.1%減で、27兆8,357億円と予測しています。

IDC Japan:新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した
国内ICT市場の前年比成長率の予測アップデート

IDCでは、今後の状況次第で悲観的シナリオを想定しています。2020年には世界主要地域全般レベルでの感染の抑制と経済活動の正常化が実現せず、感染の収束と経済の回復が2021年中盤以降に持ち越されるというシナリオです。
これにより前年比成長率はマイナス9.6%まで落ち込み、今後の状況次第ではさらなる成長率低下の可能性もあると予測しています。先に記載した通り、顧客企業の不況によるIT投資の落ち込みが来年度に本格化するという予測です。

アフターコロナの不確実性へITエンジニアはどのようにキャリアを考えるべきか

これまでご紹介してきた大手企業の早期退職制度の実施、IT投資の抑制、そしてIDCの市場予測をみる限り、来年度以降ウィズコロナ(アフターコロナ)のIT業界への影響は避けられない状況となることでしょう。ただし、その影響がどの程度なのかは、今後の感染拡大と経済活動のバランスによってITへの投資規模も変わってくることから、今は状況を見守ることしかできません。
つまり、対応策を予め用意しにくい“不確実性”が存在することになります。過去のリーマンショックや業界動向からは、次の2点の影響が既にある、または今後予測される事態として考えられます。

(1)システム開発の案件が大幅に減少する

現在のシステム開発の業務が顧客企業の業績悪化に伴い、システム投資をストップすることが考えられます。
主に担当していた顧客のシステム化案件について、フェーズ分けをしていた場合、次フェーズに当然進むと思っていたものの、来期のIT投資の削減に伴い1年間延期となることが考えられます。担当する業務が1年間空いてしまうと、ITエンジニアにとっては自身のスキルアップの機会喪失となってしまいます。
エンジニアとして成長を続けるためには、業務終了で実務から離れる時間を短くすることが望まれます。

(2)ITエンジニアが関与する案件に対する需要が更に減少し、条件も悪くなる

SES業務として顧客先に常駐して業務にあたっている場合にも、顧客企業の業績悪化に伴い、SES契約の更新がなくなってしまうことが考えられます。他の顧客でのSES業務がスムースに見つかる場合は良いのですが、そのまま社内失業に至ってしまった場合、最悪は社内に居場所がなくなって退職という結果になりかねません。そういった場合、再就職を目指しても復帰先が低待遇の業務に従事することもあり得ます。

上記のどちらのケースでも、自身のスキルアップの機会を止めてしまうことになります。一度悪化した条件を戻す為には、長い時間を要することになりますので、自身の収入の問題を含めてリスクを負うことになってしまいます。

このような不確実性に対応するためには、転職市場を視野に入れておくことが重要です。IT業界、特にITエンジニアに対する需要はコロナ禍の社会的な変化に対して、一時的な減少はあっても大きく斜陽になることは考えにくいのが実情です。不況の最中でも、IT業界では求人者1人に対して複数の求人から選択の余地があります。しかし、その場合でも求職者の待遇や企業の募集条件など、望む求人との出会いが難しくなることが想定されるでしょう。

顧客先企業の業績に左右されて自身のキャリアアップがストップしまう様な事態が発生してしまってからでは、間に合いません。日頃から転職市場をリサーチし、良い転職先候補が見つかったら積極的にアプローチしていく形が良いのではないでしょうか。

新型コロナウイルスは、いまだ出口の見えないトンネルの状態が続いています。
政府の自粛要請期間を契機として、様々な業界・個人の働き方を含めて、ニューノーマルと言われる変化を生み出しました。
今後は企業の業績悪化の結果として、IT投資への削減要求が始まることが予想されます。その時に低価格・低人数での業務推進を迫られる、またはSESの終了を余儀なくされることもあるでしょう。

その様な事態が発生してから慌てるのではなく、常日頃から自身の将来とキャリアを見直してみるのが良いと考えられます。幸いエンジニアの転職は経験者であれば選択肢が多い傾向のため、今後の業界動向を予測して良いキャリアを積める仕事を選んでおけるような準備を始めていきましょう。

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