
ゲームプログラマーは、企業の一般的なシステム開発を担うプログラマーとは違い、ゲームのプログラミングを専門とする開発職です。ゲーム好きでゲームプログラマーになりたいと思っている人も少なくないでしょう。
ただ、ゲームプログラマーのほうが一般的なプログラマーより若干平均年収が低いと言われており、実際はどうなのか気になるところです。
また、ゲームプログラマーは年代や業種などによっても年収が違ってきます。
この記事では、ゲームプログラマーの年収について年代別や業種別などの観点も含めて解説し、ゲームプログラマーの将来性について探っていきます。
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Contents
ゲームプログラマーの年収は高い?
まずは、ゲームプログラマーの年収と、一般的なプログラマーとの差について解説します。
ゲームプログラマーの年収
求人ボックス給料ナビによると、ゲームプログラマーの平均年収は490万円です。全体の年収幅は298万円~809万円であり、人によっては高年収を目指すことは十分可能だとわかります。
ただ、1,000万円を超えていません。ゲームが特別好きでないという方が高年収を目指すのであれば、ほかの開発職も検討したほうがよいでしょう。
※給料情報は2023年6月に求人ボックス上の掲載求人情報から算出された金額にもとづく
参考:ゲームプログラマーの仕事の年収・時給・給料(求人ボックス)
一般的なプログラマーとの差
厚生労働省による職業情報提供サイトjobtagによると、一般的なプログラマーの平均年収は550.2万円です。
上述したゲームプログラマーの平均年収と比較すると、ゲームプログラマーの平均年収のほうが若干低いことがわかります。
もちろん実力があれば年収は高まりますが、ゲームプログラマーの年収が低いと言われるのは、あながち間違いではないのかもしれません。
参考:職業情報提供サイトjobtag プログラマー(厚生労働省)
ゲームプログラマーの年代別平均年収

リブセンスが運営している転職会議の情報をもとに、ゲームプログラマーの年代別平均年収をご紹介します。
20代
ゲームプログラマーの20代の平均年収は、約324万円~388万円でした。実際の求人では、入社1年目で400万円支給された29歳のモデルケースがありました。
30代
ゲームプログラマーの30代の平均年収は、目安が約476万円でした。実際の求人では、入社2年目で550万円支給された35歳(主任)のモデルケースがありました。
40代以上
ゲームプログラマーの40代以上の平均年収は、目安が約492万円でした。大手ゲーム会社の例を挙げると、40代の平均年収が600万円、50代の平均年収が750万円となっていました。
参考:転職会議 ゲームプログラマ<40代以上>の年収まとめ(リブセンス)
参考:転職会議 株式会社スクウェア・エニックスの年収分析(リプセンス)
ゲームプログラマーの業種別の年収例
大手転職エージェントの求人情報をもとに、ゲームプログラマーの業種別の年収例もご紹介します。
家庭用ゲーム(コンシューマーゲーム)向けのソフト開発
PlayStationやXbox、Switchなど、家庭用ゲーム機向けのソフト制作会社の求人では、ゲームプログラマーの予定年収が400万円~800万円に設定されていました。歴史の深いゲームタイトルに関する求人ですが、年収1,000万円には届かないようです。
スマートフォン向けのアプリ開発
スマートフォン向けのアプリ制作会社の求人では、ゲームプログラマーの予定年収が434万円~994万円に設定されていました。近年CMで話題のスマホゲームに関する求人であるからか、年収1,000万円近くを目指せる求人となっています。
ゲームプログラマーが年収を高めるためのポイント
ゲームプログラマーの年収についてさまざまな観点からご紹介しました。ただ、実際に働くときに相場よりも年収が低くなってしまうケースも珍しくありません。あくまで年収を高めるためのポイントを知ったうえで、ゲームプログラマーを目指す必要があります。
ゲームプログラマーが年収を高めるためには、メインプログラマーになることが重要です。
メインプログラマーとは、たくさんのプログラマーが携わるゲーム開発において、スケジューリングや業務のマネジメントを行うチームリーダーです。
責任が大きくなるため、年収が高まりやすいといわれており、実際にマネジメント経験者を優遇する企業も珍しくありません。
また、家庭用ゲームソフトや3Dゲームソフトの開発経験者など、特定ジャンルの開発経験を優遇する企業もあります。その点、ひとまず特定分野でのゲーム開発を極めれば、転職で年収を高められる可能性もあるということです。
ゲームプログラマーとして年収を高めたいのであれば、1つの企業で経験を積んで転職するといったキャリアパスも、あらかじめ想定しておくことが大切でしょう。
ゲームプログラマーの年収に関するQ&A
ここまでゲームプログラマーの年収に関してさまざまな観点でご紹介しましたが、ほかにも疑問が残っている方もいるでしょう。引き続きゲームプログラマーの年収に関する疑問にQ&A形式で回答します。
Q1.コンシューマーゲーム業界とソーシャルゲーム業界で年収に差が出るのはなぜ?
A1.ソーシャルゲームはバージョンアップを前提として売上を高めているからです。
一般的にソーシャルゲーム業界のほうが、コンシューマーゲーム業界よりも年収が高いと言われています。その理由は、ビジネスモデルが違うからです。
従来のコンシューマーゲームは、一度リリースした内容で売上を発生させます。その一方で、ソーシャルゲーム(SNS上でプレイするオンラインゲーム)は、定期的に大規模なバージョンアップをすることで、新たな利益を発生させます。
その点、ソーシャルゲームのほうが売上を高めやすいビジネスモデルだといえるため、コンシューマーゲーム業界よりも年収が高くなる傾向があるのかもしれません。
Q2.ゲームプログラマーは男女で年収に差があるのか?
A2.ゲームプログラマーの年収は、男性のほうが女性より高いといわれることがあるようですが、必ずしもそうとは限りません。
転職口コミサイトでは、同じ勤務先で勤めている男性が、年下の女性よりも年収が低い事例が見受けられました。
基本的に給料は社内の評価制度で決まります。現場で結果を出すことができれば、性別に関係なく年収が高まるのが一般的です。
ゲーム業界において女性のほうが年収は低いという意見があっても、根拠がなく信頼できるデータにもとづいていないケースも珍しくありません。
評価制度が整っている会社を選べば、女性の方でも十分高年収を目指せるでしょう。
参考:転職会議 ゲームプログラマ<30代以上>の年収まとめ(リブセンス)
ゲームプログラマーの将来
データや分析環境を提供しているSensor Towerの「2023年世界のモバイルゲーム市場予測」レポートの内容から、ゲームプログラマーの将来性を探ってみましょう。
レポートによると、2018年から2021年にかけて、世界のモバイルゲームのアプリ内課金収益は増加し続けてきました。
一旦、新型コロナウイルスの影響が弱まったことで2022年のモバイルゲーム収益が788億ドルに減少したものの、2023年には再び増加基調に転じており、2027年には920億ドルを突破すると予想されています。
国内でもモバイルゲームのCMを毎日のように見かけることからも、世界的にモバイルゲームの収益が好調だという実感も腑に落ちやすいでしょう。
モバイルゲーム分野が好調であることから、ソーシャルゲームに関するゲームプログラマーの将来性は、当面安泰だといえるのではないでしょうか。
参考:[レポート] 2023年世界のモバイルゲーム市場予測(Sensor Tower)
まとめ
ゲームが好きだからゲームプログラマーを目指しているという人も多いと思いますが、好きなだけでは収入を安定させることはできません。あくまで儲かる仕事なのかどうかを検討して目指す必要があります。
今回ご紹介した内容をふまえても、ゲームプログラマーの平均年収は特別高いというわけではなく、比較的に普通の年収だとわかります。
漠然とゲームプログラマーを目指すのではなく、年収を高めるための戦略を立てておくことが重要です。
たとえば今後は、モバイルアプリの収益が世界的に増加傾向と予測されることから、スマホゲームに関する開発経験を積むのもよいでしょう。
また、メインゲームプログラマーのようにマネジメント経験者を優遇する企業も少なくありません。プログラミングスキルだけでなく、マネジメントスキルを磨ける職場を探すのもおすすめです。
このように、ゲームプログラマーとして年収アップを目指すのであれば、キャリアパスを意識した職場選びも重要です。
キャリア設計が思い浮かばない場合は、転職エージェントなどを活用して、キャリアコンサルタントにアドバイスをもらうことも検討してみてください。