
新型コロナウィルスの影響で大半のITエンジニアはテレワークを経験したかと思います。しかし、職場環境が変わってしまったことにより不安感が高まったり、インフラが整っていないため仕事の効率が上がらなかったりなど、様々な理由で退職を検討している方も少なくないのではないでしょうか。
本稿では、在宅勤務中に退職するにはどうすればいいのか、通常勤務の場合との違いをご紹介します。是非ご参考ください。
在宅勤務での退職を決意したら
テレワークの導入中に退職を決意される方も多いのではないでしょうか。退職を決意されるのには様々な理由があるかと思います。例えば働き方が変わった結果、新たなライフスタイルを選ぶことにしたというポジティブな理由から、インフラの整備や同僚とのコミュニケーションの違い、会社との距離を感じてしまい不公平感や不安感が増してしまうというものがあります。
このように在宅勤務の最中に退職を決意された場合に注意しなければならないのは、通常勤務の場合との退職方法の違いです。退職方法が違うことを理解しなかった結果、余計な禍根を残してしまったり、退職方法が違うことを理解するのに戸惑ってしまった結果、退職を踏みとどまってしまったりすることを避けるためにも在宅勤務の退職方法をしっかり理解しておきましょう。
在宅勤務の退職方法

退職の大きな流れは通常勤務と変わりません。在宅勤務の場合も通常通りのステップを踏むようにしましょう。しかし、直接のコミュニケーションに差し支えがあるため、退職の意志の伝え方や健康保険証などの会社への返却物の手配などが大きく変わってきます。退職までの大きな流れは、下記になります。
1.退職を伝える相手をリストアップし、退職の意志を伝えます。
2.退職時期を調整し、引き継ぎなどを行います。
3.退職の手続きをします。
それぞれのステップで、特に在宅勤務の場合の注意点を中心にご紹介します。
退職の意思を伝える
在宅勤務の場合、出社して退職の意思を伝えるのが難しいかと思います。しかし、だからといっていきなり人事部にいきなり退職の意志を伝えるのでは、禍根が残ります。特にエンジニアの場合、退職した後も別のプロジェクトで現在の同僚と一緒になることも少なくありません。そのため円満に退職することを意識しましょう。
まず、直属の上司やプロジェクトマネージャーなど退職を伝えるべき相手をリストアップし、退職の意志を伝えましょう。その際、退職の意志を伝えるのに、LINEやチャット、メールではなく電話をすることがおすすめです。メールやLINEなどでの退職届も有効ではありますが、一方的な通知となってしまったり、相手の感情を知らず無駄に溝が広がってしまったりという可能性があります。可能な限り直接会話をして、自分の意志をしっかり伝えましょう。また、電話する前に事前にアポイントを取っておくようにすることもおすすめです。ネガティブな理由での退職だとしても、相手の立場を考えるようにしましょう。
電話で退職の意思を伝えた後は、しっかり退職届を用意するようにしましょう。この場合もLINEやメールではなく、しっかり書面で用意することをおすすめします。なぜなら、退職後にハローワークにて離職票の発行手続きなどで退職届が書面で必要になる場合があるからです。在宅勤務の場合はどうしてもメールやチャットで済ませてしまいたいと思いがちですが、しっかりと会話で伝えた上で書面を用意することを意識しましょう。
退職時期を調整し、引き継ぎなどを行います。

退職の意志を伝えたら、退職の時期を調整するようにしましょう。在宅勤務となって一人で作業をしていることが多くなったとしても、自己判断だけで決めてはいけません。プロジェクトマネージャーや上司と相談しながら、退職時期を決めましょう。
退職時期を決める際に気をつけるべき点としては、現在関わっているプロジェクトや契約の状況、引き継ぎに関わる期間を確認しましょう。プロジェクトを抜けるタイミングを誤ると他のスタッフに負担をかけることとなります。上述したように、エンジニアとして転職する場合は同僚とどこで一緒になるかわかりません。なるべく負担がかからないことを意識しましょう。
退職の手続きをします
退職期間が決まったら、最終的な退職の手続きを進めましょう。退職にあたっては、会社に返却が必要な物と、逆に自分が受け取る必要がある物があります。返却が必要なものとしては、健康保険証や社員証、支給されたパソコンなどがあります。定期券や名刺などの会社から支給された物は一通り返却について確認しておきましょう。逆に受け取るものとしては、年金手帳や離職票などがあります。
通常勤務の場合は出社して返却や受け取ることになりますが、在宅勤務の場合は郵送(宅配便)での送付でいいのかなどをしっかり確認しましょう。特にパソコンなどは機密情報が含まれているため、退職後も保有している場合は損害賠償などに繋がるケースもありますし、配送中に破損させると責任問題でトラブルに繋がります。きちんと手順を確認した上で、自衛のために自身で対応できる範囲でしっかり対応しましょう。
退職代行サービスの利用について
近年退職代行サービスが増えてきており、検索すると多くのサービスを見かけるかと思います。在宅勤務の退職の場合、退職代行サービスの利用することはどうなのでしょうか。
本稿では、基本的には退職代行サービスの利用はおすすめしません。上述したようにエンジニアとしての転職を検討している場合、同僚が転職したり、共同プロジェクトなどで今のメンバーとまた一緒なったりと、同じプロジェクトで作業する機会がいつ訪れるかわかりません。そのため、狭い業界内で退職のトラブルは起こさないことがおすすめです。
退職代行サービスによっては交渉・調整の余地が少ない転職になったり、退職時の引き継ぎ業務などが適切に行われなかったり、といったトラブルが残る可能性があります。 どうしても退職に同意してもらえない等、不当な理由で退職することができないような問題があった場合にのみ利用を検討しましょう。
おわりに
テレワークなどの在宅勤務、ウィズコロナといった要素から大きく働き方などが変化してきています。その中でエンジニアの方も転職することで新たなライフスタイルの実現を目指す方、キャリアアップを目指して退職を検討している方もいらっしゃるかと思います。
在宅勤務の場合も退職の流れは通常勤務の場合と変わりません。また、エンジニアは狭い業界のため、円満な退職をすることは将来のプロジェクトにも大きく変わってきます。在宅勤務では物理的に同僚が周りにいないため、コミュニケーションは通常勤務と比べてより慎重に進めることがおすすめです。円満な退職をすすめて、後悔なき転職活動を進めましょう。