退職を考えたら知っておくべき重要事項4点(ITエンジニア編)

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ITエンジニアの方にはフリーランスになり独立すること、転職してキャリアアップすることなどを考えていらっしゃる方も多いかと思います。そこで最初のハードルになるのが、現職からの退職です。上手に退職をすることによりフリーランスの今後の仕事につながったり、同業他社で別のプロジェクトでまた一緒になった際にスムーズに進められるようになります。本稿ではITエンジニアの皆様が退職を考えた際に知っておくべき、重要事項4点をご紹介します。

退職を考えはじめたら

キャリアアップをしたい、より大きなプロジェクトに関わりたいという理由からの転職や、フリーランスで働き自分の時間の得たいなど、理由は様々かと思いますが、退職を考えはじめた時にまず考えなければ行けないのが退職の仕方です。エンジニアの場合は転職先の新たなプロジェクトで今の同僚とまた一緒に仕事をするかもしれないなど、同業種にいる限りどのようなことがあるかわかりません。そのため、円満退社をすることがおすすめです。

1.退職のためのステップ

退職のためのステップは大きく3つのステップになります。
 1.退職を伝える相手をリストアップし、退職の意志を伝えます。
 2.退職時期を調整し、引き継ぎなどを行います。
 3.最後は退職の挨拶をします。
それでは、それぞれのステップについて詳しくご紹介します。

退職を伝える相手のリストアップ

まずはじめの一歩、退職を正式に伝える相手は誰にするべきか? です。
伝えるべき相手は直属の上長になります。プロジェクトマネージャーが上長と別人の場合は、プロジェクトマネージャーにも伝える必要があります。なぜかと言いますと、自分が退職した後の後任者を探したり業務の見直しを行ったりする立場にある人だからです。実際の退職手続きは主に人事担当が行いますが、だからといっていきなり人事担当に退職を伝えるのはおすすめではありません。
また、直属よりも上の役職の方に先に伝えるのも上長のマネジメント不足と判断され、上長との関係性を悪化させる恐れがあるからです。

退職理由の伝え方

退職が決まったら、退職理由は伝える必要が出てきます。
「退職願」には「一身上の都合により」以上を書く必要はないのですが、一緒に仕事をした人たちにはやはり理由を伝えなければならないでしょう。
理由によってストレートに伝えた方がいい場合と、そうではない場合があります。

ストレートに伝えた方がいい場合

一般的に、他人の退職理由を聞いて 「それなら仕方ないな」 と思えるのがストレートに伝えた方がいいケースです。

・結婚、出産、子どもの進学など、ライフステージの変更があった場合
・介護など、家庭の問題が発生した場合
・ドクターストップなど、業務の遂行が不可能になった場合

会社側から労働条件の変更で続けられないかと慰留されるケースもありますが、退職理由としては周囲に受け入れてもらいやすいです。

ポジティブに変換した方がいい場合

逆に、ストレートに伝えると不適切なケースもあります。

・労働時間、休日等の労働条件が悪かった
・給与等収入が少なかった
・職場の人間関係が好ましくなかった

これは、厚生労働省が毎年調査している「平成30年上半期雇用動向調査結果の概要」で男女ともに上位の退職理由3つになります。いずれもストレートに周囲に伝えると、周囲の印象が悪くなる恐れがあります。
労働条件や給与は同僚も同じような状況であることが多いですし、人間関係ともなると当事者の可能性が出てきます。

その場合はポジティブな理由に変換しましょう。
転職の場合は「新しい業務にチャレンジしてステップアップしたい」、フリーランスになる場合は「場所や時間にとらわれず仕事したい」、というように「現状への不満<新しい仕事への期待」をアピールするのがポイントです。

どうしてもフォローできない場合

退職理由を、どうしてもフォローできないケースがあります。

「取引先企業に転職する」

いわゆる「顧客に引き抜かれた」という場合です。
これだと円満退職は難しいです。同僚レベルであればそこまで心象は悪くならないかもしれませんが、企業全体としては悪印象を持たれることは避けられません。

だからといって、取引先企業に転職することを隠して退職するのは悪手です。残念ながら、取引先である以上隠し通すことは不可能です。
ましてや「本当は取引先に転職するのでは?」と聞かれて「違います」と嘘をつくと、後々まで悪評がついて回ります。
会社間の関係でトラブルになる可能性もあるため、正直に伝えましょう。
正直に伝えて上手く行った場合、元の会社の担当窓口としてプロジェクトを任されて良好な関係を維持できるケースもあります。

退職時期の調整

退職にあたり一番重要なのは「退職時期の調整」になります。 民法上「期間の定めのない雇用契約」で就業している場合は、タイミングはありますが原則2週間前の申告で退職が可能となっています。
本当に2週間で退職できるかというと、余程のやむを得ない理由が無い限りは難しく、円満退職からは遠ざかることになります。状況にもよりますが、引継ぎ期間を含め2ヶ月程度余裕があるとスムーズに退職しやすいです。
実際の退職を申し出る時期については「就業規則」で定められているケースがあるため、確認をしておきましょう。

プロジェクトや契約の状況を確認する

現在携わっているプロジェクトの状況は、退職時期に一番関わってくる部分です。プロジェクトから抜けるタイミングを誤るとメンバーの負担が多くなり、反感を持たれることになってしまいます。一番良いのはプロジェクト終了のタイミングですが、長期プロジェクトになるといつまでも転職できないという状況になることがあります。

長期プロジェクトの場合は、プロジェクトマネージャーに退職時期を打診してみましょう。また、派遣契約をしている場合は契約更新のタイミングがありますので、どこで更新されるのかを上長に確認するのが良いでしょう。

引継ぎ相手と期間を調整する

多くの場合、後任者への業務引継ぎが発生します。
引継ぎ相手の状況(相手が別業務との兼任などの場合もあります)やスキルにより引継ぎ期間は変わってきます。 対象業務のリストをあらかじめ作った上で、引継ぎ相手と期間調整をしましょう。
リストを作らないと引継ぎ作業に漏れが発生し、退職後に問い合わせが来てしまうケースがあります。手間はかかりますが、「相手のため」だけではなく「自分のため」にリストを作るのです。

退職挨拶

退職の際、きちんと挨拶をしておきましょう。
最終出社日に、お世話になった社員にはお礼のメールと今後の連絡先を送り、可能であれば対面でも軽く挨拶をしましょう。これで印象良く退職でき、人によっては今後も交流を続けることができるでしょう。

2.失業保険とは?

退職後に転職先が決まっていない方もいらっしゃるかもしれません。その場合、転職先を探している間は失業保険の給付を検討する方も多いかと思います。失業保険とは雇用保険の失業等給付のことであり、再就職までの生活を支援するための給付のことです。失業保険はハローワークで手続きを行い給付できます。

失業保険がもらえる条件

失業保険を受け取る条件には大きく2つあります。
 −再就職の意思があり、就職できる状況であるにも関わらず失業状態であること
  …病気や怪我、妊娠出産や育児などの状況をのぞいたものになります。

 −離職日以前の2年間で被保険者期間が通算で12か月以上あること

この条件のもとで就職活動を行っているという実績を残しつつ、4週間に一度ハローワークに失業認定をしてもらうことで、個人差はありますが前職賃金の約50−80%を受給可能です。失業保険は最低90日・最大で330日の受給が可能です。

3. 再就職手当とは?

働かなくてもまとまった額が給付されるため、可能な限り失業保険を受給したいと考える方が少なくありません。そのため、転職が決まりそうな場合でも受給期間が残っているからと断ろうと考えるケースがあるようです。
しかし転職のチャンスは限られており、また同じような条件の企業と出会える保証はありません。また、失業給付の受給時間を残したままでも全く給付がもらえなくなるわけではありません。給付期間を3分の1以上残した状態で就職が決定すると、「再就職手当」が一括でもらえます。

再就職手当とは支給残額の一定割合を一括で受け取れる制度で、金額は残り3分の1以上なら支給残額の60%、残り3分の2以上なら70%程度となります。最終的な支給総額は失業保険の満額より減りますが、給与も含めて支給される額としては嬉しい額です。そのため、失業保険の給付期間が残っていても良い転職の機会は逃さないようにしておきましょう。

再就職手当の条件

再就職手当には大きく9つの条件があります。

-基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること。

-1年を超えて勤務することが確実であること。

-受給手続き後、7日間の待機期間満了後に就職したこと。

-給付制限を受けた場合は、待機期間満了後1か月間はハローワーク、または認可を受けた職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること。

-離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと。

-過去3年以内の就職について、再就職手当の支給を受けたことがないこと。

-受給資格決定前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。

-原則として、雇用保険の被保険者要件を満たす雇用であること。

-再就職手当の支給決定の日までに離職していないこと。

上記の条件をクリアすることで再就職手当を受給することが出来ます。
また、企業に就職する場合でなくてもフリーランスとして独立する場合でも受給する事が可能です。しかし、その際一年事業が継続出来るということが認定される必要があります。例えば、開業届などを提出することが有効です。

就業促進定着手当

再就職手当の支給を受けた人は、前職よりも賃金が低下してしまった場合に前職との差額を就業促進定着手当として支給される可能性もあります。就業促進手当は6ヶ月間雇用され、今後も6ヶ月雇用される場合にのみ適用されます。
ちなみに、フリーランスの場合は適用されません。

4. 退職を決めた際にやってはいけない3つのポイント

最後に、退職をする際にやってはいけない3つのポイントをご紹介します。

現職の悪口や愚痴はこぼさない

上述したように、エンジニアとして継続して働いていく場合は新たなプロジェクトや新たな職場でも前職の上司や同僚と一緒に作業する機会がある可能性があります。そのため、退職をするからといって周りに現職の悪口や愚痴を漏らしてしまうと、将来のプロジェクトの際に関係が悪くなる可能性もあります。
現状どのような不満があったとしても周りに悪口や愚痴を言うことを避けましょう。

自分の要望だけで退職を進めない

退職を伝える際によくある失敗が、自分の要望だけを伝えることです。例えば、「有給休暇をすべて消化したいので引き継ぎができません」といったことや「ボーナスを受け取ってからと退職をするため時期を延長したいです」といったことが挙げられます。ある程度自分の意志を伝える必要も重要ですが、自分の要望だけを伝えるのではなく、しっかり企業側の事情も理解し落とし所を探しましょう。

退職の撤回はしない

これは2つのケースがあり、1つは退職を伝えた際に引き留めにあって撤回したケースです。このケースでは会社との交渉前に退職の意思を漏らしまっていると問題となる可能性が高くなります。待遇改善を妬まれたり、他の人が待遇改善を狙って退職の意思を示してしまい混乱に陥ったり、ということが起きると社内での立場が悪くなり、居辛くなって退職してしまうと待遇改善を図った会社側からも恨まれてしまいます。

もう1つは退職の話を進め始めた後に、退職の意思を撤回してしまうケースです。退職者が出ることが決まると、会社は新しい人を募集したり引き継ぎ相手を探したりします。どちらも当然業務時間を使うことになりますが、それを後で撤回されると全て無駄になってしまいます。個人の都合は良いかもしれませんが、以降の社内の立場は間違いなく悪いものになるでしょう。

どちらのケースでもハッキリ言えることは、自分の中で退職の意思はしっかり検討してから会社に伝えるようにしましょう。

おわりに

ITエンジニアの皆様も退職や転職を検討している方も多いと思います。
業界の中での転職となる場合、退職する会社の人とは今後も関わる可能性があるため円満退社をすることをおすすめします。そのためには、自分の中でステップを整理し作業を行いましょう。

退職した後に転職先が決まっていない場合は、失業保険などの給付内容と給付条件を把握した上で手続きを進めておきたいところです。しかし、転職は出会いです。失業手当の受給期間がまだ残っていても、再就職手当などを活用することで受給予定の金額の一部も受給することが可能です。このような制度を活用しながら、後悔なき転職活動を行いましょう。

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