
履歴書はその人自身の履歴であり学歴や職歴、人となりを示すものですが、職務経歴書はそれとは異なり文字通り職務の経歴を中心に記述するものです。
また、経歴を示すとともに自身の技術面をアピールする書類でもあります。
単純に経歴を記載するだけでは勿体ありませんので、キラリと光るところも合わせて示したいものです。
今回は職務経歴書の作成に自身が無い方向けに「そもそもITエンジニアとして何を書くべきか?」「ITエンジニアとして何を書けばキラリと光る職務経歴書になるか?」というところを中心に述べていきます。
既に書き慣れている方でも、自分の職務経歴書を見直す意味で一読してみてください。
ITエンジニアの職務経歴
職務経歴書に記載する内容ですが、「職務の中でのポジション」「自分の業務」「業務の中で得たもの」等は必須要素としてしっかりと記述しましょう。
所有資格は取得年月と合わせて評価される資格を記載します。評価対象としにくい、取得の容易な資格については記載を避けるケースが大半です。
ポジションは2種類の組み合わせとなり、縦のポジションとなる指揮系統(プログラマーやプロジェクトマネージャー、サブリーダーやサブシステムリーダーなど)と横のポジションとなるプロジェクト内の担当ポジション(インフラ基盤、業務システム、運用担当など)がわかるように記載します。
各案件ともにこのポジションは非常に重要な項目になります。貴方がプロジェクトに携わった立ち位置がはっきりわかるように記載することが重要です。
自分の業務はプログラミングやマネジメント、顧客との要件定義、仕様決めなど、実際に行った業務になります。
複数のポジションにまたがって担当した場合、どのように携わったかを明記しておくのもポイントです。例えば、要件定義に携わった場合、全体を担当したのか、それとも一部の機能についての要件定義を担当したのか担当範囲がわかるよう記載するようにしましょう。
そして最後に得たものですが、主に「活かせる経験・知識・技術」欄に記載することになります。個人によって異なりますが、一般的にITエンジニアとしての各業務における技術力やコミュニケーション能力、マネジメント能力などになります。
経験が浅い場合の職務経歴
エンジニア経験の浅い方の場合、まだまだ自分の職務経歴では弱い、自信が無いと思われている人もいるかもしれません。
しかし、ITエンジニアとして基本根幹として求められる事は一貫しています。まだまだ経歴が少なくても、その基本にそった経歴であれば問題ありません。
また、独自で勉強のためなどで構築したwebアプリケーションや、webサイトがある場合は、職務経歴書に記載するのもアピールとしてはいいでしょう。
職務経歴書は貴方がどのようなスキルがあって、即戦力として対応できる業務があるのかどうか、貴方の現在のプロフィールを正確に把握してもらうための資料になりますので、できることがあればアピールして伝えるようにしましょう。
エンジニアに求められるもの
では、その基本根幹として求められるものとはなんでしょうか? 実は、ITエンジニアというものは主に3カテゴリに分類されます。
まずは文字通りのエンジニアにカテゴライズされる技術(エンジニア)職です。自社システムや受託開発を問わず、定められた仕様に従ってシステムを構築・実装(プログラミング)することを主な業務とします。プログラマーもこちらの分類になります。
それから、顧客との仕様を決めていくSE(システムエンジニア)職です。顧客のために作成する受託開発システムは顧客の意をくんだシステムになる必要があります。
となると、顧客とのコミュニケーションをしっかりと取り、顧客の要望をITの仕様に齟齬が出ないようしっかりと仕様を固め、設計書におとしこんでいくことができるシステムエンジニアは非常に重要な役割になります。
そして最後に、プロジェクト管理及びマネジメントを行うPM(プロジェクトマネージャー)職です。技術職ほどの精通には至らないものの技術への理解があり、仕様を理解・把握でき、コストの管理、顧客とのコミュニケーションもしっかり行うことができる者が主に任されます。
プロジェクト全体のマネジメント以外にも、重要な業務としてコスト・損益のマネジメントも行います。
基本的に、年収も上記の下に行く毎に高くなります。また、職務に応じた責任もついてくるので、年収も相応の金額になるのは当然だということになるでしょう。
いずれかのカテゴリに入った形で自分の過去の職務やこれからの方向性をブレないで表現することができていれば、たとえ経験が浅くても心配する必要はありません。
意欲をアピールする
職務経歴書を単なる経歴の羅列にしないため、重要になるのがポイントを捉えたアピールをすることです。
そんなにアピールする程の経験はないです、と思われるかもしれません。しかし、その場合は将来的な展望や意欲を示すことがポイントになります。
先に3つのカテゴリ分けをしたエンジニアの中で、ニーズが常に高いのはプロジェクトマネジメントができるITエンジニアです。
プロジェクト全体を把握し、横断的にできる事が基本の上、プロジェクトを損益の面でも任せられるので当然と言えば当然なのですが、IT業界では慢性的にこの人材が不足しています。
もしこの分野に興味があれば、今は未だ経験が浅くてもこの方向性に進みたい!ということをアピールしてみましょう。
そしてもう一つ、業界のニーズが高い人材像ですが、今のトレンドを捉えた技術を持っているITエンジニアです。ただし、貴方と職務経歴書を見比べられる全員がエンジニアでしょうから多人数の中でも特に長けている必要があります。
具体的な言語でいうとAI系のPythonや、データサイエンティストと言われる技術者のニーズが特に高くなっています。
経験が少ない方でも、もし興味があればこの技術の方向性を記述してみるのもポイントです。もちろん職務経歴書を提出する先にニーズがあることも前提ですが、新しい事にチャレンジすることに非常に意欲的との印象も与える事ができるはずです。
おわりに
いかがだったでしょうか? 皆さんが職務経歴書を作成する際のご参考になれば幸いです。
IT業界への応募の際には職務経歴書を添えた方が技術経験を伝えやすく、入社後に「こんなはずじゃなかった」となりにくくなります。
業界経験が少なくても、自分に書ける範囲を記入して用意しておきたいですね。