「IT業界は未来がない」といった言葉を目にして、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
AIの進化やオフショア開発の拡大、ブラックな労働環境のイメージなど、ネガティブな情報が目立つ中で、「本当にIT業界に将来性はないのか?」と悩むのは自然なことです。
しかし、実際のところIT業界は急速に進化し続けており、エンジニアとしてのキャリアには大きな可能性が広がっています。
では、なぜ未来がないと言われることがあるのでしょうか?本記事では、IT業界の現状と将来性を徹底解説していきます。
本当にこれからIT業界に進んでよいのか、進む場合何が必要で、どんなことに気を付けるべきか見ていきましょう。
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Contents
なぜ「IT業界は未来がない」と言われるのか?

IT業界は、技術革新のスピードが非常に速く、常に変化の波にさらされています。その中で「未来がない」と言われる背景には、AIによる仕事の代替やオフショア開発の進行、そして労働環境への不安など、複数の要因が絡み合っています。詳しく解説しますので、ご覧ください。
オフショアやAIに仕事を奪われるから
一部のIT業務はAIやオフショア開発によって代替される可能性があります。単純作業やルーチン化された業務が中心の職種に、特に当てはまります。
しかし、IT業界全体の未来が閉ざされるという意味ではありません。むしろ、AIを活用した新しい職種やサービスが次々と誕生しており、技術の進化に伴って新たな需要が生まれているのです。AIエンジニアやデータサイエンティストなどの専門職は、今後ますます重要な役割を担うと予想されています。
また、オフショア開発の拡大も事実です。企業は人件費を抑えるために、東南アジアやインドなどの海外拠点に開発業務を委託するケースが増えています。
しかし、国内ユーザー向けのサービスやシステム開発においては、日本語対応や文化的な理解が不可欠であり、国内IT企業の役割がなくなることは考えにくいのもまた事実です。
ブラックな労働環境のイメージ
IT業界に対して「ブラック企業が多い」というイメージが持たれがちな理由は、業界特有のピラミッド構造の影響が大きくあります。
多くのITプロジェクトは「元請け→下請け→孫請け」といった多重下請け構造で成り立っており、末端の企業ほど報酬が低く、残業が多くなる傾向が強いのが事実です。
特にSE(システムエンジニア)やプログラマーとして下請け企業に所属する場合、納期に追われるプロジェクトや、仕様変更への対応などで長時間労働を強いられることもあります。こうした環境が「IT業界=ブラック」という印象を強めているといってよいでしょう。
ただし近年では、働き方改革やDX推進の流れを受け、労働環境改善に取り組む企業も増加しています。フレックスタイム制・リモートワークの導入・残業時間削減など、柔軟な働き方を実現している企業も多く存在します。
エンジニアにとってはIT業界の将来性が高い
「IT業界は未来がない」と言われる一方、エンジニアという職種に限って言えば、むしろ将来性は非常に高いと言っても過言ではありません。
社会全体がデジタル化・自動化へと急速に進んでいる今、IT技術を支える人材のニーズは年々高まっています。ここでは、IT業界の明るい未来を示す具体的な要素について見ていきましょう。
IT人材が不足しているから
経済産業省の調査によれば、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。

これは一時的な現象ではなく、社会構造の変化に伴う深刻な課題です。
AI・クラウド・セキュリティといった高度な技術分野では、専門性の高いエンジニアが求められているのが現状、将来の継続見込みもあり、企業は未経験者でもポテンシャルを重視して採用する傾向が強まっています。つまり、今からでもIT業界へのチャレンジは、将来的な市場価値の高いキャリアを築くチャンスでもあるのです。
「IT業界は未来がない」と感じる方もいらっしゃるでしょう。ですが実際には“人が足りない”のが現実で、ご自身の可能性を見出す余地は十分に残されているのです。
ビッグデータやIoTの活用が増えている
製品の利用状況や顧客の行動履歴など、膨大なデータ(= ビッグデータ)を収集・分析し、サービス改善・新規事業立ち上げに活用する動きが加速しています。
また、スマートホーム・自動運転・工場自動化など、IoT技術が活用される分野も年々拡大中で、それに伴いIoTシステムの構築・運用ができるエンジニアの需要も高まっています。
こうした分野では、センサー技術・クラウド連携・セキュリティ対策など、複数の専門スキルが欠かせません。単純作業の自動化が進む一方、こうした高度な領域では人間の判断力や設計力が不可欠で、エンジニアの役割はむしろ重要性を増しているのが現状です。
以下表に一部ビッグデータ/IoTに関連する職種と必要スキルについてまとめましたので、参考にご覧ください。
| 技術分野 | 主な職種 | 期待される役割 |
|---|---|---|
| クラウド | クラウドエンジニア | インフラ構築・運用・セキュリティ |
| AI | AIエンジニア | モデル設計・学習・実装 |
| ブロックチェーン | スマートコントラクト開発者 | 分散型システムの設計・実装 |
ITの発展でエンジニアの需要は増加し続けている
クラウドサービス・AI・ブロックチェーンなど、IT技術は日々進化しています。企業はこれらを活用して業務効率化や新サービスの開発を進めていく上で、こうした技術を支えるエンジニアの需要は継続的に増加しているのも現状です。
特にクラウドエンジニアやAIエンジニアは、企業のインフラ構築やデータ活用に不可欠な存在。設計・開発だけでなく、運用・セキュリティまで担うため、専門性の高い人材として高年収が期待できる職種でもあります。
以下に、ITの発展に伴い需要が高まっている技術分野と職種の例をまとめました。
| 技術分野 | 関連職種 | 主な業務内容 |
|---|---|---|
| クラウド | クラウドエンジニア | インフラ設計・構築・運用 |
| AI | AIエンジニア | アルゴリズム設計・モデル開発 |
| セキュリティ | セキュリティエンジニア | 脆弱性診断・対策・監視 |
DX化を進める企業が多い
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、ITを活用して業務やビジネスモデルを根本から変革する取り組みです。経済産業省の「DXレポート」によれば、2025年までにDXを進めない企業は競争力を失い、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があるとされています。
この流れを受け、システム刷新・クラウド移行・業務の自動化などを進める企業が急増しており、ITエンジニアの活躍の場は拡大しているのです。
特に社内システムの設計/運用・データ分析・セキュリティ対策など、DX推進に必要なスキルを持つ人材は需要が継続的に上昇しています。以下に、DX推進に関連する業務と求められるスキルの一例をまとめましたので、ご覧ください。
| 業務領域 | 関連職種 | 必要スキル |
|---|---|---|
| 業務自動化 | RPAエンジニア | 業務フロー設計・ツール操作 |
| クラウド移行 | クラウドエンジニア | AWS・Azure・GCPの構成理解 |
| データ活用 | データサイエンティスト | 統計・機械学習・SQL |
IT業界で需要が高い職種
ここでは特に需要が高く、キャリアアップにもつなげやすい職種を紹介します。未経験からでも目指せる道があるのか、どんなスキルが必要なのかも含めて、わかりやすく解説します。
AIエンジニア
AI技術は製造・医療・金融・教育など、さまざまな分野で導入が進んでおり、それを開発・運用できるAIエンジニアの需要は年々高まっています。
経済産業省は以下のように提言しています。
国内外の情勢や技術動向を踏まえ、⼤きな価値の創出につながるAIの社会実装の促進等に向けた戦略(新たな⽬標設定等)が必要 引用元:AI戦略2022の概要
AI関連人材は今後も継続的に不足するとされており、特に機械学習・深層学習の知識を持つエンジニアは、企業の中核を担う存在として期待されているのです。
この職種を目指すのに必要なスキルについて以下表にまとめましたので、ご覧ください。
| 必要スキル | 具体例 |
|---|---|
| プログラミング言語 | Python、R |
| 開発フレームワーク | TensorFlow、PyTorch |
| 理論知識 | 統計、線形代数、機械学習アルゴリズム |
セキュリティエンジニア
情報漏洩やサイバー攻撃のリスクが高まる中、セキュリティエンジニアの重要性はますます増しています。DX化やクラウド導入が進むほど、企業のIT資産を守る専門人材のニーズは高まっており、今後も安定した需要が見込まれているのが現状です。
IPA(情報処理推進機構)の調査でも、セキュリティ分野の人材不足は深刻で、特に中小企業では専門人材の確保が難しい状況が続いていると報告されています。
セキュリティエンジニアには、ネットワークやOSの知識に加え、脆弱性診断・ログ分析・セキュリティポリシー設計などの実務スキルが求められます。CやPythonなどのプログラミング言語での開発も行うため、幅広い知識が必要になります。以下表に必要なスキルをまとめましたので、ご覧ください。
| 必要スキル | 具体例 |
|---|---|
| ネットワーク知識 | TCP/IP、ファイアウォール設定 |
| 診断・分析 | 脆弱性スキャン、ログ解析 |
| 言語スキル | C、Python |
データサイエンティスト
企業が保有する膨大なデータを分析し、意思決定や戦略立案に活かすデータサイエンティストは、ビッグデータ活用の進展に伴い、今後ますます重要な職種です。
経済産業省の「Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会 報告書」では、データサイエンティストは今後のビジネスに不可欠な存在と位置づけられ、特にマーケティングや製品開発の分野で活躍の場が広がっています。
データサイエンティストには、統計学・機械学習の知識、PythonやSQLなどの言語スキルと、ビジネス課題を理解し、データから仮説を立てて検証する力が求められます。論理的思考力とコミュニケーション能力も重要です。以下表に求められるスキルをまとめましたのでご覧ください。
| 必要スキル | 具体例 |
|---|---|
| 分析スキル | 統計、機械学習、回帰分析 |
| 言語スキル | Python、SQL |
| ビジネス理解 | 課題設定、仮説検証 |
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、AWS・Azure・Google Cloudなどのクラウドサービスを活用して、企業のインフラを設計・構築・運用する職種です。
オンプレミスからクラウドへの移行が進む中で、クラウドの専門知識を持つ人材は非常に重宝されています。
総務省の令和5年度情報通信白書によれば国内企業のクラウド利用率は2022年時点で70.4%と高水準で、年々増加傾向にあります。中小企業でも導入が進み、クラウド活用の拡大に伴い、クラウドエンジニアの需要は今後も増加すると見込まれています。
この職種に必要なスキルは、クラウドサービスの構成理解に加え、インフラ設計・セキュリティ・自動化ツール(Terraform、Ansibleなど)の活用です。Linuxやネットワークの基礎知識も欠かせません。以下に必要なスキルを表にまとめましたので、ご覧ください。
| 必要スキル | 具体例 |
|---|---|
| クラウド構成理解 | AWS、Azure、GCP |
| インフラ設計・運用 | Linux、ネットワーク |
| 自動化ツール | Terraform、Ansible |
IT業界で働く前に知っておきたい注意点

IT業界は将来性が高く、技術革新の中心にある一方で、働くうえで事前に理解しておきたいポイントも存在します。ここでは、未経験者や転職希望者が安心してキャリアを築くために、押さえておくべき注意点を整理しました。
高度なスキルを求められる
IT技術は進化のスピードが速く、数年で主流の言語やツールが変わることも珍しくありません。エンジニア職では、プログラミング言語・開発環境・クラウド・セキュリティなど、幅広い知識のアップデートが必要です。
未経験からでも基礎を固めて段階的に学べば十分に対応可能ですが、「学び続ける姿勢」が不可欠です。以下に代表的なスキル領域をまとめました。
| スキル領域 | 具体例 | 活用場面 |
|---|---|---|
| プログラミング言語 | Python、Java、JavaScript | Web開発、AI開発、業務システム構築 |
| クラウドサービス | AWS、Azure、GCP | インフラ構築、運用、クラウド移行 |
| セキュリティ | 脆弱性診断、アクセス制御 | 情報保護、リスク管理 |
| データベース | SQL、RDB設計 | データ分析、業務システム連携 |
| 開発手法・管理 | Git、アジャイル、CI/CD | チーム開発、品質管理、継続的デリバリー |
| 自動化ツール | Docker、Terraform、Ansible | インフラ構成管理、運用効率化 |
| UI/UX設計 | 画面設計、導線設計 | ユーザー体験向上、サービス改善 |
変化に柔軟に対応することが必要
IT業界は、技術だけでなく働き方や価値観も常に変化する世界です。新しい言語やフレームワークの登場、リモートワークの定着、アジャイル開発の普及など、昨日の常識が今日には通用しなくなることもあります。
変化に対し不安を感じるのは自然ですが、重要なのは“変化に慣れる”ことではなく、“変化に向き合える姿勢”だと認識していただけると、気持ちも楽になるのではないでしょうか。環境が変わっても、自分軸を持ち柔軟に対応できれば、エンジニアとして長く活躍できるでしょう。
ブラック企業である可能性
IT業界は将来性がある一方、すべての企業が働きやすい環境を提供しているわけではありません。特にSES(システムエンジニアリングサービス)や多重下請け構造の現場では、長時間労働や低賃金といった課題が残っているケース(俗にいう”ブラック企業”)もあります。
企業選びは“情報収集”と“見極め”が重要です。以下に、ブラック企業に自ら飛び込んでしまわないためのチェックポイントをまとめましたので、ご覧ください。
- 面接では、残業時間や休日取得率などの具体的な数字を確認する
- 転職サイトやSNSで、実際の社員の声をチェックする
- 転職エージェントを活用して、表に出ない内部情報を得る
「未来がない」と言う前に、自分の未来を考えてみよう
「IT業界はブラック」
「未経験では無理」
「将来性がない」
といった声は、ネット上でも散見され、課題があるのは確かです。ですが、それはIT業界に限ったことではありません。
また以前と違いIT業界にも働き方改革は浸透してきており、残業もすくなかったり、ライフワークバランスを考えてくれるホワイトな企業も増えています。
大切なのは、ネガティブな情報に振り回されるのではなく、自分の未来をどう描きたいかを考え、見るべきポイントを押さえ企業調査を徹底し、自分に最適な企業を見つけることです。
IT業界は、変化の激しい時代において“変化を生み出す側”に立てる数少ないフィールドです。未経験でも、学び続ける姿勢と柔軟な対応力があれば、十分に活躍できます。むしろ、変化に乗れる人こそ、IT業界でのびのびと成長できるでしょう。
「未来がない」と決めつける前に、自分の未来に何を求めるのかを問い直してみてください。その先に、IT業界での可能性が広がっているかもしれません。












